松島塾
松島を愛する人のための教科書
おくのほそ道を歩く

雄島
「雄島が磯は、地続きて海に成出でたる島なり」
解説
 芭蕉は、地続きだといっているが、陸続きではない。渡月橋という橋でつないでいる。かつては、雄島は「魂の待つ島」であり霊場であった。女人禁制の地であり、橋は「すかし張り」といって全面板張りではなく線路の枕木のような柱がとびとびに渡されていた。
 奥の高野ともいわれ天台宗の時代からの霊場であった。千松島ともいう。天皇が千本の松を贈りこの地に植えたという。のちには、瑞巌寺の奥の院ともよばれている。

*渡月橋を渡ると島の周りには、無数の岩窟があり、石仏が彫られ、修行僧の雨露を凌ぐだけの広さの穴がある。
*右にはいるとすぐに「新右ヱ門稲荷神社」がある。
*さらに進むと奥の細道の標柱が立っている。この近辺に句碑歌碑が林立している。
*座禅堂(雲居禅師の別室の跡、把不住軒は今もその姿をとどめている)
*「月、海に映りて昼の眺めまた改む。」「落ち穂、笠松などうち煙たる草の庵」
*頼賢の碑・・・(寧一山の碑の文)鎌倉時代の高僧の徳を讃えたもの。 巨大な古碑。近くに大きな骨塔がある。
*奥の細道の標柱の近くに「芭蕉の句碑(朝よさを誰まつしまぞ片心)」「曽良の句碑(松島や鶴に身を可禮ほととぎ寿)」がある。「加賀の千代女の句碑(多満され亭き手月を見千松島)」があり、「芭蕉翁松島吟並序碑」  (奥の細道序文と朝よさをの句)がある。
 *近くに「妙覚庵敷」がある。

「見仏堂」
*・・・ヨットハーバーの見える浜辺近くの岩窟に見仏上人の修行した場所(見仏堂跡)がある。トンネルをくぐっていくと渡月橋に至る。見仏上人は平安末期の高僧で雄島の見仏堂で12年間を過ごした。
 法華経6万部を読誦したという。西行法師は、見仏上人の所に2度訪れている。見仏上人は松嶋と鳥取を神通力で行き来していたという。

「見仏聖の寺はいづくにやと慕わるる」
曽良随行日記
「帰而後、八幡社・五大堂ヲ見。慈覚ノ作。松島ニ宿ス。久之助ト云。加衛門添状。」
解説
「八幡社」・・
・・・五大堂にわたる途中の島にある。坂上田村麻呂が建立したと伝えられる小さな社がある。

「五大堂」
・・・五大明王を祀るもので慈覚大師が創建した。現在のものは伊達政宗が再建したもの。周囲に十二支の「干支(えと)」の彫刻が彫られている。

「松島の宿」(久之助)はどこか
  「江上に帰りて宿を求めれば窓を開き二階を作りて風雲の中に旅寝するこそあやしきまで妙なる心地はせらるれ」
   「松島や鶴に身を借れほととぎす  曽良」
   「予は口をとじて眠らんとしていねられず」

**********
  「おくのほそ道」で芭蕉は11日瑞巌寺に詣ずと書いている。曽良日記には5月9日となっている。芭蕉の日付は文学作品としての構成上のものであって必ずしも実際の日付と同じではない。曽良日記の方の記録の方は、実際の日付であるということが最近では通説になっている。
解説
 「おくのほそ道」の松島の宿は、『久之助』という二階家の宿だった。

 記録によれば、元禄時代の当時、松島には二階建ての宿が三軒あった。その内のどれが「久之助」の宿か。松島に住む京野英一氏は、2001年からこの調査を始めた。三軒のうち「熱田屋」の子孫が町内にいることをつきとめた。訪ねてご位牌を見せていただくと『久助』という名前があり、『久』という屋号の付いた半纏や食器も残っていた。『久』という屋号を受け継いだ家が他にないことを確かめて熱田屋こそ『久之助』という芭蕉の泊まった宿だったと確認した。〔2003年8月10日『毎日新聞』〕

 熱田屋は明治初期に廃業し、そのあとに今では4階建てのビルが建っている。(一景ビルとなっている)瑞巌寺入口の両脇の店もまた昔の旅館であるが、ここは『扇屋』である。3階の戸袋に扇の屋号がついている。扇屋は伊能忠敬らが宿泊し『良き宿なり』と記している。しかし、今は宿屋は経営していない。



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